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911■外部固定費の意義

1.固定費とは

売上高の増減に影響されずに,一定金額が固定的に発生する費用のことを『固定費』と言います。

2.準変動費の取扱い

正社員の給与は固定費の代表的なものですが、厳密に検討すれば、売上高に全く影響されないわけではありません。

例えば、残業手当は、売上高がある一定の金額を超過すれば急激に増加する場合が多いし、基本給であっても、出来高給、または歩合給のように、生産高や売上高に応じて増加するような賃金制度を採用しておれば、売上高の増減によって相当変動することになります。

また企業の外部へ支払う運賃等も、操業度(生産高)によって大幅に変動するものです。

学問的にはこうした性質の経費を『準変動費』と呼んで、固定費と区分することもあります。しかし、実務ではそうした配慮は無用です。区分を細かくすればするほど数値の理解が困難になり、道具としての価値が低下する場合が多いからです。

私は商品仕入原価、材料費、外注費以外はすべて固定費に含めても差し支えないと考えています。

同様に運送業における燃料費も、固定費に含めることが良いと思います。

3.固定費の区分

固定費は、『内部固定費』と『外部固定費』に区分します。

4.内部固定費

中小同族会社の場合、会社の所有者(株主・出資者)と経営者は、同じ人であるケースがほとんどです。しかもその他の役員も、多くが家族または一族によって構成されています。

法人が金融機関から借入れをする場合には、代表者は連帯保証人になることが普通ですし、代表者個人が所有する不動産を法人の借入先の担保に提供していることも少なくありません。このことは、法人にひとたび事あれば、代表者は会社のために個人財産を注ぎ込むことを約束しているということです。

法人とその代表者とは、法律的には別人格であり厳密に区別されるべきですが、大部分の中小同族会社は経済的には一体となっているのです。言い換えれば会社とその代表者(またはその家族)は、1つの船に一緒に乗っている同乗者といってもいいでしょう。

私はこの点に着目して、「代表者とその家族に支払う経費」を『内部固定費』と名付けて区分しています。

この『内部固定費』には、おおむね次の5つの項目があります。

1)同族関係者給与
同族関係役員又は役員でなくても、代表者の家族に支払う給与もこの中に含めます。

2)同族関係者に対する地代家賃
 代表者およびその家族が所有する土地や建物を自社に賃貸した場合に、会社が支払う地代や家賃をいいます。

3)同族関係者借入金に対する支払利息
 代表者またはその家族から、会社が借入れをしているものを「同族関係者借入金」といいます。
会社はこの同族関係者借入金に対して、利息を支払うことが認められます。

4)同族関係者に対する保証料
 会社の借入金に対して個人が連帯保証をした場合に、保証料を支払うことが認められます。

5)減価償却費
 建物、構築物、機械、車両運搬具、工具器具備品等、1つまたは1組が10万円以上のものは『償却資産』とも言います。
『償却資産』は購入した時に、一度に全額を経費にすることはできません。定められた年数に分けて経費に算入します。この経費に算入する金額を『減価償却費』と言います。
『減価償却費』は机上で計算するものであり、資金が企業の外部へ流出しないものですから『内部固定費』に含めます。

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